日本薬学会年会シンポジウム「若手が切り開くMolecular Toxicology」

日本薬学会第127年会(富山)

若手が切り開くMolecular Toxicology2~化学物質の毒性と転写制御因子~

日  時 平成19年3月29日 午前10時~12時
場  所 富山県民会館 401号室
オーガナイザー 中西 剛(阪大院薬)、黄 基旭(東北大院薬)

内容の概略

 近年の分子生物学のめざましい進歩により、毒性発現には遺伝子/蛋白発現変動を伴うという仮定のもとに、毒性発現をより鋭敏にミクロなレベルで捕らえる新たな毒性学の概念が確立されつつある。一方で、遺伝子や蛋白質の発現には、ゲノムDNAからRNAが合成される転写反応が必要不可欠であり、このイベントには転写制御因子が重要な役割を果たしているが、化学物質の毒性発現においても転写制御因子が関与することが解明されつつある。化学物質がステロイドホルモンのごとく、リガンド依存性の転写制御因子である核内(ホルモン)受容体に作用するという、いわゆる『環境ホルモン問題』は、その最も典型的な例であろう。本シンポジウムでは、化学物質の毒性と転写制御因子という観点から、化学物質の毒性機構解明を試みている若手の先生方に講演いただき、今後益々進化するであろうMolecular Toxicologyの方向性について議論を深めたい。

1. 転写因子活性に影響を及ぼす多環芳香族炭化水素キノン類のケミカルバイオロジー
角 大悟,熊谷嘉人(筑波大院人間総合科学)
2. 亜鉛応答性転写因子MTF-1と6価クロム毒性
木村朋紀(摂南大薬)
3. ユビキチン化を介したダイオキシン受容体のエストロゲン・シグナル制御
大竹史明(東大分生研,JST ERATO),藤井義明(筑波大TARA,JST SORST),加藤茂明(東大分生研,JST ERATO)
4. 転写発現プロファイルからの化学物質影響解析
渡辺 肇,井口泰泉(自然科学研究機構)

日本薬学会 環境・衛生部会 若手研究者交流促進委員会

pageの上へ戻るボタン