日本薬学会年会シンポジウム「若手が切り開くMolecular Toxicology」

日本薬学会第129年会(京都)

若手が切り開くMolecular Toxicology4~有害金属類の毒性発現と防御を担う分子標的と生体応答システム~

日  時 平成21年3月26日 午前10時~12時
場  所 国立京都国際会館 1F D会場
オーガナイザー 山本 千夏(北陸大薬)、角 大悟(筑波大院人間総合科学)

内容の概略

 これまで化学物質の毒性に係る転写因子,脳神経毒性などについて最新の研究を紹介してきたメ若手が切り開くMolecular Toxicologyシリーズメも4回目を迎えた。我が国はイタイイタイ病や水俣病など有害金属による未曾有の公害を経験した過去を持つ。現在,そのような事例が発生する状況はないが,米や魚介類などを通じた低濃度長期曝露の影響が懸念されており,有害金属類による健康障害の分子機構解明の重要性は大きい。近年,有害金属類の毒性と防御を担う分子標的や生体応答システムに関する研究が飛躍的に進んでいる。それらの結果から、有害金属類が作用する細胞内および細胞外の分子標的を介した生体応答システムが防御的に機能する場合だけでなく毒性発現を担う場合もあり,しかも毒性の表現型や毒性に対する感受性を規定することが明らかにされつつある。このような研究成果を整理しておくことは,今後の研究にとって有益であると思われる。本シンポジウムでは,環境化学物質としての有害金属類のうち,メチル水銀,カドミウムおよびヒ素化合物にフォーカスをあて,その毒性発現と防御を担う分子標的と生体応答システムについて最新の結果と今後の発展を含め議論し,金属毒性学の発展に資することを目的とする。

1. メチル水銀の部位特異的な中枢神経障害発現要因としての血管毒性
廣岡孝志(北陸大フロンティア),鍜冶利幸(北陸大薬)
2. ヒ素のメチル化代謝と酸化的DNAダメージ ― 癌化誘導との因果関係について ―
小島 力,Tokar E.,Ramirez D. (NIEHS), Drobna Z.,Styblo M. (Univ. of North Carolina),Mason R., Waalkes M., (NIEHS)
3. カドミウムの細胞輸送における亜鉛輸送体の役割と発現調節
藤代 瞳,窪田圭佑,奥垣里美,姫野誠一郎(徳島文理大薬)
4. カドミウムのエリスロポエチン産生に対する影響
堀口兵剛(自治医大医)

日本薬学会 環境・衛生部会 若手研究者交流促進委員会

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